全国的にも希少な「三ツ鳥居」

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バスが停車する秩父市営駐車場より小高い坂の上に三峯神社の入口となる鳥居があります。写真のように3つの鳥居で構成されていて、他の神社とはちょっと違った形をしています。

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歩を進めていくと銅像が姿を現します。平和を願って三峯山に神を祀ったという日本武尊(やまとたけるのみこと)です。
十二代景行天皇の皇子である日本武尊が東征の際に登ったというのが三峯山。そのときに伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)の2柱の神を祀ったことが始まりとされています。

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その日本武尊の道案内をしたのが三峯山のオオカミであったとされ、神様の使いとして一緒にお祀りされています。「お犬様」のほかに「大口真神」「ご神犬」とも呼ばれています。神社の敷地内ではさまざまな表情のお犬様を見ることができます。

神様を祀った社殿は、神秘的な空気に包まれた随身門のその先に

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日本武尊の銅像を背にして階段を降りていくと、「三峯山」という扁額が掲げられた随身門が見えてきます。

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神社でよく見る門というよりも、寺院の門のような威厳と煌びやかさが感じられます。それもそのはず、この門は江戸時代中期、神仏が入り混じっていた時代に仁王門として建立されたもの。明治時代の神仏分離令によって仁王像を撤去し、現在の随身門となったそうです。

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随身門からさらに歩を進めると、青銅でできた鳥居とその先に社殿が見えてきます。この青銅鳥居は、今からおよそ180年前に建立されたもの。「天下泰平」「国家安全」の文字に力強さが感じられます。

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拝殿を守護するように、樹齢800年に及ぶ巨大な御神木が立っています。天に向かうようにまっすぐに伸びた御神木は、まさにパワースポット。神前にお参りをした後は、この御神木に向かって三度深呼吸をして手を合わせて祈念します。御神木から静かに発せられる「氣」をいただいて、エネルギーチャージを。

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手や口を清める水舎は、嘉永6年(1853年)に4年の歳月をかけて建立されたもの。精巧な彫刻が美しく、芸術品のようです。

20222月現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、水舎を利用することができませんのでご了承ください。

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手水舎の反対側にあるのは、安政4年(1857年)建立の八棟灯籠です。灯籠というと金や銅、石などを材料に造られることが多いのですが、三峯神社の灯籠は木でできた大変めずらしいもの。その彫刻の美しさは一見の価値があります。

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社殿は極彩色の総漆塗り。緻密な彫刻も見ごたえがあります。殿内の格天井には、「かたくり」や「しゃくなげ」など、三峯神社の境内に咲く草花が描かれています。

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敷石に目をやると、黒いシミの中に赤い点のようなものが目を惹く箇所がありました。これは2012年、その年の干支である「龍(辰)」が現れたそうなのです。現在も消えることなく瑞祥(めでたいことの前兆)として扱われ、スマートフォンの待ち受けにすると龍のパワーにあやかれるとSNS上で話題になっています。

山中にはえんむすびの木やお犬様を祀るお社も

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さらに山の中へと歩みを進めると、「えんむすびの木」という看板と大きな絵馬が掲げられた建物があります。建物の上に立つ木が「えんむすびの木」。ヒノキとモミの木が寄り添うようにして生えていることからそう呼ばれるようになりました。建物に備え付けてある紙に良縁を願う相手の名前を書いて納めると、願いを聞き届けてもらえます。

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えんむすびの木から少し歩いたところに「遠宮」と書かれた鳥居が見えてきました。階段が急ですが、頂上にあるお宮を目指して歩きます。

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このお社は、三峯神社の御眷属(ごけんぞく)であるオオカミをお祀りしています。御眷属は深い山中に身を潜めていることからこの場所を仮のお社として祀るため、「御仮屋(おかりや)」と呼ばれています。オオカミは山畑を荒らす害獣を追い払い、家々を守護する守り神。火防、盗賊除、諸難除の神として崇められているのです。

参拝の記念にいただく御朱印にもお犬様が

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参拝を済ませたら社殿に隣接する授与所で御朱印(初穂料500円)をいただきましょう。三峯神社の御朱印は、お犬様の絵が入っています。
御朱印帳は2種類あり、写真左の御朱印帳は合皮で持ち歩きやすく、立体的な作り。表紙には社殿を、裏面にはお犬様が描かれています(初穂料3,000円)。写真右は三峯神社の境内に咲く花々が刺繍された御朱印帳(初穂料1,500円)です。

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授与所では、お守りや御神札もいただけます。三峯神社のお守りは「氣守(きまもり)」(初穂料各1,000円)といって、境内にある御神木が入っています。身につけることで常に御神木から英気を分けていただけます。

境内には売店もあり、秩父の酒蔵で醸造された地酒や漬物などの食品、ポストカードや文房具などが購入できます。

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売店の方に伺ったところ、お犬様をモチーフにした地酒が人気なのだそう。「狼山(ろうざん)」は三峯神社のために地元酒蔵が醸造した日本酒で、サイズもさまざまに揃っています。300mlサイズはおちょこ付き。

お寺の本堂だった場所でコーヒーを飲みながらほっと一息

境内には「小教院」というコーヒーハウスがあります。天平8年(736年)に国中に疱瘡が流行し、光明皇后が諸国の霊山に観音を祀られ、国民の健康を祈願しました。この時三峯神社も観音像が奉られ、堂宇が建てられました。やがて「三峯山別当寺観音院」として多くの修験者が訪れるようになりました。明治の神仏分離によって、お堂は閉ざされましたが、歴史的建造物としての保存をするために平成3年に改修工事が行われました。現在は喫茶室として利用でき、内部を眺めていると、ところどころに当時の名残を感じることができます。

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広間には挽いたばかりのコーヒーの芳しい香りが立ち込めています。窓から降り注ぐ暖かい日差しを浴びながら、おいしい一杯をゆっくりと楽します。

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コーヒーはブレンド、アメリカン、ウインナーコーヒーの3種類があり、いずれも540円。紅茶やココア、ようかん付きの抹茶も540円とお手頃です。

帰る前にもう一息、遥拝殿から奥宮神社にもご挨拶を

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最後に遥拝殿から奥宮神社に参拝します。遥拝殿は、随身門を出た真向いの階段を上ったところにあります。

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階段を上ると目の前に絶景が広がります。三峯の名の由来は、高くそびえる雲取山、白岩山、妙法ケ岳の3つの峰が連なる様子を総称したもの。妙法ケ岳には奥宮神社が鎮座し、三峯神社から徒歩1時間を要しますが、ここから奥宮神社を拝むことができます。

見どころが盛りだくさんの三峯神社は、時間に余裕をもってでかけるのがおすすめです。朝早くに出かけて気象条件が揃えば、遥拝殿から雲海に浮かび上がる山々の様子を楽しむこともできます。関東屈指のパワースポットで「氣」を分けていただき、秩父ならではの大自然を満喫してみませんか。

※価格はすべて税込
※開門時間、授与所・御朱印受付時間、価格等は変更になる場合がございます。