ここは以前もパン屋だったという立地。近所に住んでいたオーナーが空き店舗を見つけ、パン職人だった中島勇さんに「パン屋を開かないか?」と声をかけたという。当時、「アンデルセン」で働いていた中島さんは仕事を辞めて独立し、2015年に「パンとコーヒー 馬場FLAT」をオープンした。
住宅街に位置するため、地域密着型の"街のパン屋"を目指した。選び抜いた素材を使用しているにもかかわらず、日常的に買えるようにと価格帯は抑えめ。こどもが喜ぶようなラインナップもあり、お年寄りも多いため、ハード系だけでなくやわらかいパンも取りそろえる。
ほかにはない、お店独自のパンを開発
クリームパンやメロンパン、あんぱんなどの定番商品に加え、お店オリジナルのユニークなメニューも多い。毎月、新商品を開発する力の入れようだ。
「定番のパンもありつつ、なるべくなら他では食べられないものを出したいという気持ちがありますね。毎日来ていただくためにも、飽きないラインナップを心がけています」
おいしいパン屋さんが家の近所にある喜び
なかでも特にこだわってつくっているのは、食パンとバゲット。国産小麦を使っているため、なかなかパリッとしたフランス風バゲットができず、何度も試作を繰り返し、いまのバゲットにたどり着いた。
「フランス人の老夫婦が毎朝バゲットを買いに来てくれるのがすごくうれしいですね。角食はモチモチとした食感もありつつ、口溶けの良さがあるものに仕上がりました」。
粉の甘みとパリッとした歯ごたえが抜群の「バゲット」(270円)、しっとりとしたモチモチ食パン「角食FLAT」(350円)。
シンプルなパンほど、日常的に食べるもの。「毎日買ってもらえるものをつくりたかった」と中島さんは話す。
週末ともなれば、こどもと一緒に家族で朝からパンを買いに訪れ、店の前にあるベンチで食べる姿も見られるという。また、ランニングやウォーキングをした帰りに買って行く人も多いそうだ。家の近所においしいパン屋があって、暮らしのなかに溶け込んでいる風景。それこそ、パン屋のあり方として、一番幸せなかたちだろう。
※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。詳しくは、ホームページをご確認ください。
※写真は取材時(2017年2月16日)に撮影したものです。