合言葉は「ピン、ホース、レバー」。消火器を使ってみよう

今回は編集部員が防災体験ツアーに挑戦してきました。今回体験したのは消火体験と煙体験、地震体験、救急体験の4つ。上記のプランは基本ツアーを事前予約すれば無料でだれでも体験できます。(一部年齢制限あり)

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今回は土井さんにツアーの案内を担当していただきました。
まず、体験したのは火災を想定した消火活動です。火事を目撃したら、どのように通報すればいいのか? 消火器はどのように扱えばいいのか? など、質問を交えながらわかりやすく教えてくれます。

土井さんによると、火災が発生したときまずは大きな声で「火事だ!」と呼びかけることが大事なのだそう。ひとつの体でできることは限られているため、周囲の人に助けを求めることが大切だとおっしゃっていました。

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続いて土井さんは「消火器1本でどのくらいの時間を対応できると思いますか?」と質問。「1~2分くらいですか?」という編集部の回答に対し、「おおよそ1本で15秒くらいです」と土井さん。意外と短い時間ですが、それもそのはず。消火器の役目は初期消火のため、1本の消火対応時間も長くはありません。どの程度の火災なら対応できそうか理解していることが重要とのことです。

いよいよ消火の実践へ。体験では水が出る消火器を使用し、先ほど教わった「ピン、ホース、レバー」の手順に沿って、迅速に消火活動を行います。大型スクリーンに映し出される本物さながらの炎に向かって思い切り放水!

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ホースは根本ではなく先端を握ると狙いを定めやすいとのこと。消火器は1本あたり約6kgと意外に重たく、編集部も少し苦戦しながら無事消火しました。

姿勢は低く、冷静に。落ち着いた行動が肝の「煙体験」

続いては、火災時に発生する煙の中を避難する煙体験です。職場や自宅で火災に遭遇した時に、冷静な判断力を身に付けるためには煙の特性や危険性を知っておくことが重要です。

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土井さんによると煙の上昇速度は毎秒3~5m、一方で水平方向へは毎秒0.5~1mと言われており、上階へ避難すると煙に巻き込まれてしまう可能性が高くなります。煙の特性を知ったうえで、避難する時には姿勢を低くしてハンカチで口と鼻を押さえる。そして、誘導灯を見ながら落ち着いて進むことが大切です。

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レクチャーを受けたあとの体験では、体に害のない疑似的な煙で満たされた暗い部屋の中を歩いて避難します。視界が悪い中で体勢を低く保ちながら移動するのは難しく、大変さを実感。今回は冷静に対応できていましたが、いざ実際に火災が起きた時も同じように落ち着いて行動したいものです。

地震大国だから備えよう。さまざまな揺れを体験できるコーナー

地震体験のコーナーでは、実際に地震の揺れを体験することができ、地震のときに必要な行動を学ぶことができます。
編集部は東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の揺れを想定した震度7を体験。揺れはじめたとともに、すぐに机の下に移動します。しかし、予想以上の揺れに頭が少しだけ机からはみ出してしまいました。土井さんは「机の下に避難できたとしても油断せず、机の脚にしっかりつかまるのが大切」とアドバイス。身の安全を守ることが最優先と念押しされていました。

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この地震の揺れを再現する機械は、東日本大震災の揺れ以外にも、前述の関東大震災や阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)、新潟県中越地震、長周期地震動の5つの揺れをリアルな映像とともに体験することができます。激しい地震を疑似体験することで、地震の怖さや日ごろの備えの大切さを感じられました。

また、本館の入り口の奥には、東日本大震災や関東大震災の写真パネルも展示。関東大震災から100年を契機として、女優の上野樹里さんがナビゲーターを務める「ノブさんからのメッセージ手記に学ぶ関東大震災」の動画も館内で公開されています。貴重な映像作品となっていますので、防災館に来た方はぜひ視聴してみてはいかがでしょうか。

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練習あるのみ。人が倒れているときに必要な救急体験

最後に体験するのは、ケガをした人や心肺停止状態になってしまった人を助けるための救急体験です。
倒れている人を発見したら、まず周りが安全な場所かを確認。そして、倒れている人に呼び掛け、意識・呼吸を確認します。次に、大きな声で協力してくれる人を複数名呼び、それぞれに役割を与えるといった手順が必要です。

倒れている人が普段どおりの呼吸をしていない場合は、すぐさま胸骨圧迫を実施します。AEDが来るまでの間は、休まず胸骨圧迫をし続けなければいけません。体験では人形を使って胸骨圧迫を練習しました。

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続いてAEDの使い方を学びます。AEDは電源を入れるとメッセージが流れるので、焦らずにそのメッセージ通りに使用することが重要なのだそう。

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普段なかなかできない体験ながら、土井さんのやさしいレクチャーによりなんとか救急体験も完遂。これで本日のすべての体験は終了となりました。

池袋防災館では、簡単な日本語がわかる在留外国人向けに「やさしい日本語」で防災体験をレクチャーする特別なツアーも用意。また、夜のみ開催される特別な「防災体験ナイトツアー」も実施されていたりと、バラエティ豊かな防災訓練が用意されています。
"いざ"というときに自分や周りの大切な人を守るために、池袋防災館で防災体験をしてみてはいかがでしょうか。

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