桜並木を眺めながら「レザネフォール」でティータイムを
恵比寿に本店を構える「パティスリー レザネフォール」の2号店が、2018年4月にここ中野でオープンした。ビビッドなピンクのひさしに扉のグリーンが目を引く。まるでフランボワーズとピスタチオ。外観からしておいしそうだ。
中野駅まで続く桜並木に面したウィンドウからはテーブルが見える。嬉しいことにイートインもできるようだ。桜の咲く頃は絶好の花見スポットだろう。
広い店内にはショーケースがいくつも並んでいて、デパートのジュエリー売り場のようだ。ボンボン・ショコラにフルーツで彩られたアントルメ(ホールケーキ)。生ケーキは常時約20種類が揃う。オーナーの菊地賢一さんがチーズケーキで有名な「パークハイアット東京」出身ということもあり、チーズケーキは3種類あるので食べ比べも楽しそう。
「モダンなケーキを目指したときもありましたが、今は一巡して懐かしいもの、パティシエである父がつくっていたもの、みんなが食べたいものをつくりたいと思っています」という菊地さん。
誰でも知っているケーキを驚きのおいしさに
ショートケーキ(469円)や生チョコショート「シャンティショコラ」(464円)、イチゴののった「ミルフィーユ」(514円)といった、親しみやすいケーキも多い。もちろん‟今"を感じさせる菊地さんならではのセンスが盛り込まれている。
ちょっと懐かしいスイーツが焼き菓子の棚にもあった。「昭和のマドレーヌといえばこれ」と菊地さんが言う、貝殻型ではなく、まわりがギザギザになった型で焼かれた「マドレーヌ・クラシック」(172円)だ。
焼菓子の棚の裏はお茶を飲みながら、ケーキが食べられるカフェスペースだ。
おすすめいただいたのは、鮮やかな緑が気になっていた「ピスタッシュグリオット」と、ヘーゼルナッツの乗った「キャラメルショコラ」。
シェフのスペシャリテ2品は要チェック
「ピスタッシュグリオット」はほんのり香ばしいピスタチオのムースの中に甘酸っぱいグリオットチェリーのジュレ、チョコレートムース、チョコレートスポンジ、底にはサクサクのプラリネが敷いてある。ムースの中にはチェリーが隠れている。
茶色のグラデーションがスタイリッシュな「キャラメルショコラ」は、キャラメルとチョコレート、洋ナシ、ブランデーの組み合わせ。
このケーキは菊地さんが23歳のときにコンクールで金賞をとった逸品だ。
「父はパティシエを引退しており、地元・神奈川県の店を継ぐことはできませんが、父の菓子づくり、魂はこれからも私が受け継いでいきます」。
店名の「レザネフォール」はクラシックからモダンへと移り行く、パリの1920年代を意味するそう。父が築いた古き良き時代のエッセンスを取り入れ、菊地さんが21世紀の形につくり上げていく。このパティスリーはそんなお店なのかもしれない。
※価格はすべて税込
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