地場野菜や新鮮野菜をぜいたくに味わう「野菜カレー」

メニューには牛タンやハンバーグ、豚トロ角煮など、豪快にトッピングされたカレーライスが並ぶ。今回オーダーしたのは7~8種類の野菜が彩りよく盛り付けられた野菜カレー。コシヒカリのターメリックライスに、ルーには生クリームでワンポイント。見た目にも美しい一皿だ。

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「こくベジ」とは国分寺市内で採れる野菜。300年前の新田開発の時代から培われてきた農法で、丁寧に育てられた地場野菜だ。
こくベジをはじめとして、素揚げしたり茹でたりと素材の特性を生かして手を加えた野菜はどれも濃厚な味わい。スパイスの効いたルーにも負けない力強さがある。
ルーは飴色になるまでじっくり炒めたタマネギに複数のスパイスを加えてミキシング。なめらかで口当たりの良いサラリとした欧風カレーは、一口目にはほんのりタマネギの甘さを感じ、食べ進めるとスパイスの辛さがじんわり。一皿の中で味の変化を楽しめるカレーだ。

夜だけの限定カレーやセットメニューも人気

もう一皿は「チーズオムレツカレー」。カレーをまとったご飯をふんわりとろっとしたオムレツとチーズで包み、マイルドな味わい。女性に人気の高いこちらはディナータイムだけの特別なカレー。5皿限定というプレミアム付きだ。

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ドリンクやジェラートのセットメニューも用意されている。季節のフルーツを使ったラッシーには、果肉をそのまま冷凍したものを使用。そのため、最後までひんやりと味わうことができ、フルーツの香りも徐々に広がっていく。ジェラートは武蔵小金井にある和風ジェラートの店「おかじ」とコラボ。こちらも季節のフルーツ味だ。
また、ランチにはカオマンガイ風、プルコギ風、サルサソースがけささみカツなど、ユニークなメニューが日替わりで登場。いつ訪れても飽きない仕掛けが嬉しい。

わざわざ訪ねてくれるお客さまに応えたい

北口の再開発も進み、大きな商業施設が並ぶ国分寺駅。駅から伸びる街道周辺にも、個性的な店舗が点在する美食の街でもある。「欧風カレー工房 すぷーん 国分寺店」がある多喜窪通りにも魅惑的な店が軒をつらねている。
「駅前からたくさんの飲食店を通り過ぎて、この店に来てくださる。それってすごいこと」というのは店長の庄司さん。

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「すぷ〜ん」はホテルニューオータニのフレンチシェフが1996年に西国分寺で開業したのが始まり。国分寺店はその暖簾分けだ。庄司さんが店長になった当初は男性客が多く、女性にはちょっと訪れにくい雰囲気があったようだ。しかし庄司さんが店を引き継ぎ、店内外をカフェのような佇まいにリニューアルすると、女性ファンも増えていったという。
また、女性店長ならではの目線を生かした細やかな気配りもリピーターを増やすきっかけになった。
その一例がメニューに添えられた「すぷ〜ん通信」。季節ごとのおすすめメニューを手書きイラストで紹介。カレーを待つ時間を楽しいひとときに変えてくれる。

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金額ごとのポイントカードや、メニューごとのビンゴカードにもリピート心をそそられるが、実は店側にとっても大きな意味があるという。ポイントカードにはハンコを押した日付も書かれているので訪店の頻度がわかる。レジでのちょっとした会話を生み出すきっかけになっているのだ。ハンコでいっぱいになったカードは店で回収されるのだが、これが庄司さんやスタッフにとってのモチベーションになっているそうだ。

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「数ある中から、こんな回数を通ってくださる。その間ずっと捨てないでお財布の中にある。ありがたいなぁって思いますよね」。
庄司さんは、ハンコでいっぱいになったカードを愛おしそうに「ごほうび」という。
カレーという料理はいたってシンプル。だからこそ難しいし面白いという庄司さん。訪れる人への細やかな心遣いが最高のスパイスになり、多くの人を惹きつけている。

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