コンクリート打ちっぱなしのおしゃれな空間

店舗の入口には丸い提灯がぶら下がっており、丼のイラストと「irico」の文字が見える。看板には大きく「讃岐うどん」と書いてあって、一目でうどん店と分かる外観。
しかし、入口から中をのぞいて見るとちょっと様子が違う......うどん屋さんらしからぬスタイリッシュな内装なのだ。

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中へ入って驚くのは、コンクリート打ちっぱなしの壁とシックなインテリア。ちょっと照明を落としたL字型の店内には、テーブル席とカウンターを合わせて25席ほどが並ぶ。カウンターにお酒の瓶が置かれているのを見ると、おしゃれなダイニングバーのようにも思える雰囲気だ。実際、日本酒も豊富にそろえているし、「醤油豆」(380円)や「煮干しの天ぷら」(350円)など、おつまみも充実。うどんがおいしいダイニングバーとして、宴会などの需要も多いそうだ。

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コンディションを確かめながら打つ、しなやかなうどん

「irico」のうどんは、2種類の粉を独自にブレンドして打っていて、なめらかな喉越しとモチっとした弾力が特徴。口に入れた時に感じる、跳ね返るような弾力としなやかな食感は、店主の若尾さんが、その日の温度や湿度を見ながら水分や塩分の配合を変えているからこその賜物。若尾さんは、毎日うどんをこねながら手に伝わってくる感触で、微妙に水分量を調整するそう。乾燥しがちな時期は、加える水分も少し多め。ちなみに、二次熟成で少し長めに寝かせているのもポイントだとか。

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寒くなる時期は、やはり温かいうどんが人気。出汁には、香川県の伊吹島から取り寄せる伊吹いりこをふんだんに使用する。店名の由来にもなっているこだわりのいりこを、一晩水につけてから火入れし、昆布や3種類の削り節と合わせると、いりこの力強い風味が感じられる出汁に。ベーシックな「かけうどん」(570円)で出汁のおいしさとうどんのやさしい弾力が存分に味わえる。

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また、こだわりの出汁と豆乳を合わせたスープでいただく「特製豆乳うどん」(780円)もおすすめ。何種類もの豆乳を使って試行錯誤し、豆乳のクセを消しながら、出汁とマッチするよう研究を重ねた自信作だ。野菜がたっぷり入ってヘルシーな上に、豆乳が苦手なお客さまでも「これなら食べられる!」と太鼓判を押す人気メニューとなっている。

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常連さんとバンドを組むことも!うどんが繋ぐ縁

店主の若尾さんが「irico」をオープンしたのは7年ほど前。
20歳のごろから足掛け10年、吉祥寺の讃岐うどん店で修業していたが、店の大将が香川へ帰るため閉店することに。そこで、自らのお店を開こうと場所を探していたところ、国分寺で理想に近い物件を発見。周辺に会社や学校が多く、昼は近隣にお勤めのサラリーマンや学生さんでにぎわう、この場所に決めた。
元々、音楽も好きだったという若尾さん。うどんの味はもちろん、スタイリッシュな内装とBGMにもこだわって営業しているうちに、自然と音楽好きのスタッフや常連さんが集まってきたそう。今では、スタッフと常連さんがバンドを組むほどに縁が広がった。

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モチモチでおいしいうどんを中心に、スタッフと常連さん、一見さんをも繋ぐ縁ができている「irico」。これからの季節、店内では讃岐おでんと揚げたての天ぷらをつまみに日本酒をちびちびやりながら、音楽談議に花が咲くはず。
締めには、いりこが香る温かいうどんを忘れずにいただこう。

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