おしゃれなカフェは居宅介護支援相談事務所と併設
「マルトクカフェ」は、飯能銀座商店街でも一際目立つ大きな「徳」のマークが目印です。
店内のインテリアには飯能の特産品である西川材が使用されており、木のぬくもりを感じられる空間です。2019年10月に代表の小室舞さんが開業し、まもなくオープンから2周年を迎えます。
「元々はクリニックを運営していて、街の方が気軽に相談できる介護支援の事務所を作ろうとしたのが始まりなんです。相談に来られた方が、お茶やお食事をできるような場所があるといいのではないかと思い、カフェを併設することにしました」と小室さん。街の人が集まる交流の場として活用しながら、介護をより身近に感じてもらいたいという想いもあったのだそう。
管理栄養士が提案する日替わり健康ランチ
クリニックの運営経験から、病気の予防のためには食事が大切であると感じていた小室さん。食べることで健康になれる、ヘルシーで栄養バランスの良い料理を提供しようと考えます。
そんな「マルトクカフェ」の料理を担当するのは管理栄養士の田中祥子さん。ランチは和食、洋食、カレーと豊富に揃い、毎日違った献立を考えて提供しています。テイクアウトも行っているので、ご自宅の夕食にされるお客さまも多いのだそう。
「季節によって旬の野菜も変わりますし、お客さまの反応を見たり、リクエストをお聞きしたりすることもあるので、メニューは2週間ごとに新しくしています。最近はヴィーガンメニューのお問い合わせも多く、週に2〜3回は入れるように意識して作っています」と田中さん。学校給食のようにバリエーション豊かな献立表は、眺めているだけでワクワクします。
この日の「マルトクランチ」(¥950)は、メインの豚肉巻き高野豆腐にサラダや漬物などの小鉢やフルーツが添えられて、たくさんの品目が揃っていました。ご飯は白米または雑穀米から選ぶことができます。
野菜や果物は近くに店舗を構える「蔵カフェ草風庵」から仕入れているとのこと。
「草風庵の粕谷さんは青果へのこだわりが強く、一つひとつ丁寧に選んでくださるのでとても信頼しています」と田中さん。米も魚も近隣のお店から仕入れていて、地域との交流の深さも伺えます。
「洋食ランチ」(¥1,000)は自家製のベーグルを使ったサンドイッチ。キャロットラペやふわふわのチーズオムレツを挟んでいます。
田中さんにベーグルのこだわりを伺うと、「ベーグルは動物性食品を使わないパンなので、ヴィーガン食としても需要があります。一般的にベーグルは固いものが多いのですが、高齢の方やお子さまも食べやすいように、もちもちふわふわの柔らかい食感に仕上げています」と教えてくれました。
以前は病院で入院時の治療食を作っていたという田中さん。塩分6g未満という制限がある中で、健康を目指しながらも、おいしく楽しく食べられる料理を考え続けてきました。「患者さんを見ていて、もっと早くから野菜の量や塩分を意識していれば防ぐことができた病気も多いと感じました。自分のことを後回しにせず、毎日の食事を大切にしてほしいです」。
食事だけでなく、ドリンクやスイーツメニューも楽しむことができます。「天覧山ぷりん」(¥360)はコーヒーとのセットが好評。飯能市でとれた卵を使い、地元の人たちになじみ深い天覧山の名前を付けました。濃厚な卵の風味としっかりとした弾力が感じられるプリンは、飯能の新たな名物スイーツになりそうです。
店内の作品展でさらなる地域交流に
店内の壁にある木製ボードには、絵や写真などの作品展が定期的に行われています。2021年9月は「オコン制作所」のオコンアキさんによる針金アートが展示されていました。
「ものづくりが身近で、絵や音楽などの創作活動をされる方が多い街なんです。そういった作り手の方々の発表の場になればと思い、店内で作品展示や販売を行っています。展示をするのはアーティスト活動をしている方に限りません。『近所のおじいさんが趣味で写真を撮っている』と友人づてに聞いて、写真展を開いてもらったこともありますよ」と小室さん。
防災の面や地域で子育てをしていくにあたっても、人との繋がりはとても大切です。健康で安心できる暮らしのため、「マルトクカフェ」は飯能に暮らす人たちの拠り所になっています。
※価格はすべて税込
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