※現在もステンドグラス教室は開催していますが、オーナメント作りは行っていません。
新宿線「狭山市駅」から西武バスに乗り換えて約10分、「御狩場」というバス停で下車すると、本日の目的地「IIREY grassworks fugi」に到着です。
中へ入ると、柔らかな灯りとアロマオイルの香りがふんわりと漂います。色ガラスが反射し壁に鮮やかな模様が映し出され、異国の地へ迷い込んだようです。
今回教えてくださるのは、元気いっぱいの笑顔が魅力的な、飯田すみれ先生です。
それでは早速、エプロンと腕カバーをつけて体験スタート!今回は特別に、カットしたガラスを用意していただきました。
ステンドグラスは、色ガラスの小片を鉛などで結合し、絵や模様を表現したもの。今回はクリスマスを彩るオーナメントを作ります。まずはデザイン選びから。クリスマスツリーとプレゼントを入れる靴下、ろうそくと雪の結晶、どれも可愛くて選ぶのも大変です。ガラス一枚一枚、色の入り方や柄が少しずつ違うので、出来上がりの表情も変わってくるとのこと。開始早々ワクワクが止まりません♪
好きな組合せを選んだら、ガラスへ銅のテープを巻きつけます。
ポイントは、裏表の銅テープのライン(のりしろ)が均等の長さになること。ガラスがテープの中央にくるように神経を集中させます。
一通り巻き終えたら、銅テープとガラスの間に入った空気をヘラで抜いていきます。
金属(はんだ)は銅の上にしか乗らないので、銅テープが表と裏で均等になっていない部分、めくれ上がっている部分をカッターで整えます。
始まって10分とたたないうちに、集中力が頂点に達した編集部スタッフ。静まり返る教室内で作業に没頭してしまいました。
納得のいくまで整えたら、それぞれの作品に合った頭の部分を選びます。
次に"はんだごて"の作業です。フラックス剤という液で作業中についた手の油を飛ばし、はんだのノリを良くします。
260度の熱さで、はんだを溶かして銅テープの上に乗せていきます。はんだごての先は平らになっているので、はんだごての面を下にして、はんだをクイっと動かすのがポイントです。
見本通りではなく、わざと離したりズラしてくっつけるのもOK!まずは仮止めとして一点をくっつけます。はんだが溶けている状態は約220度で、ここから少しでも温度が下がると完全に固まります。
仮止めが出来たら、フラックス剤を付けながら全体にはんだを伸ばしていきます。はんだごてを動かすのではなく、表面張力を利用すると綺麗に伸びます。
全体にはんだを伸ばしたら、厚みをつけたい部分や角にはんだを足します。ぽってりとした表情をつけてあげると、重厚感が出て立体的な作品に仕上がるそうです♪
完成形が見え始めると、自分らしさやこだわりを表現してみたくなり、時間がいくらあっても足りないほど。はんだごてを使ったのは技術の授業ぶりでしたが、職人気分を味わえて、老若男女問わず楽しめる作業だと感じました♪
はんだごてが終わったら、次に洗剤で汚れを洗い流していきます。
綺麗になったら薬(腐食剤)を使ってエイジング加工を施します。これを行なうことで、年季が入ったアンティーク感を出すことができます。
最後に水洗いをしたら完成です!
まとめて飾ってみると、今すぐクリスマスパーティーが始まりそうな賑やかさ♪いつまでも眺めていられそうな幸せな気分になったところで、約2時間の体験は終了です!
「お日様の光が大好き」と話す飯田先生は、温かさを感じる自然の光をとても大切にしています。
現在制作している作品のほとんどが「灯(あかり)」に視点を置いており、色とりどりのガラスを使い、光で遊べるステンドグラスを制作。手作りの温かみが、より一層、自然との調和を楽しませてくれるようです。
飯田先生は結婚を機に、制作の対象が自身を飾るアクセサリーから、暮らしの中で使う鏡やオイルランプなどに変化しました。今、力を入れているのがオイルランプ。空き缶の底をステンドグラスで装飾し、料理の残り油で火を灯しています。経済的にも環境にも優しい灯りです。
どんな人にでも平等に降り注ぐ太陽の光を、もっと美しく楽しむために。手作りのステンドグラスに挑戦してみたい方は、ぜひ足を運んでみてください♪