築200年の建物からなる店内には、色とりどりのガラス作品が並び、柔らかな陽ざしと木の温もりが感じられます。
そこでカラフルなガラスたちに目を輝かせるのは、今回の体験者、琉志(りゅうじ)くん6歳です!
幼稚園では、たくさんの色を使って絵を描くことが大好きで、好きな色は赤と青。初めての吹きガラス体験ということで、今日の日をとても楽しみにしていたそうです♪
それでは早速、未知なるガラスの世界へ突入しましょう!
まず、形・色・模様選びからスタート。バリエーションがたくさんあって悩んでいる様子です。
琉志くんは「お父さんがアイスコーヒーを飲む用に!」と、少し大きめのコップを選び、お母さんはお家で使うお皿を選びました。模様と色は出来上がってからのお楽しみ♪
まずはお母さんが挑戦です。ガラスアーティストの吉野さんに教わりながら、全ての工程を1から体験します!
1150℃もある窯に吹き竿を入れ、溶けたガラスを巻き取ります。近付くだけでも焼けるように熱く、汗がじんわりと滲みます。
細かい色付きのガラス粒をつけます。
これに息を吹き込み、少しずつ膨らませていきます。
最初はなかなか膨らまず大変そうでしたが、命が吹き込まれていくように少しずつ大きくなっていきます。
窯で溶かしながら、形を整えることを繰り返し、ちょうど良い大きさになったらお皿の口を作っていきます。
真剣に取り組むお母さんを、琉志くんも見守ります。「本当にお皿ができるかな?」「お母さんが真剣な姿を見るのは不思議な気持ち」と、楽しそうに話していました。
そして琉志くんが見守る中、約30分間の吹きガラス体験が終了!お母さんの達成感に満ちた笑顔、とっても素敵ですね♪
お母さんの作業をジッと見ていた琉志くん、「やっと僕の番か!」と準備を済ませ、足取り軽やかに工房の中へ入りますが......。
窯から出てくる熱風の熱さにビックリ!思わず顔を隠してしまいました。
子どもが体験をする際は、基本的に大人が2人ついてサポートするので、できる作業を一つずつ進めていきます。
大人でも熱くて大変な作業を黙々とこなす琉志くん。大人はなるべく手を出さず、できることは全て自分で行います。
吉野さんやスタッフさんのサポートもあり、一通りの工程を体験した琉志くん。形になったコップを見て大喜びです!自分のために、こんなに真剣に作ってくれたと知ったら、お父さんもきっと嬉しいのではないでしょうか。
体験を終え、関さん親子は「魚焼き器で焼かれているような気分でした。でも、こんなに大変な思いをして1つの食器が出来上がっていると思うと、改めて『物を大切にしよう』という気持ちになりました」「熱かったけど、楽しかったし、上手にできて嬉しかった!」と話してくれました。
このあと、仕上げのため作品はガラス工房に預けます。後日、とっても素敵なガラスのコップとお皿がお家に届いたそうですよ♪
今回吹きガラス体験を行ったBlue moonでは、最初から最後までの工程を体験することが出来ます。そこには、この場所を作った吉野さん自身が経験した想いを、訪れた人々にも感じてほしいという願いがありました。
吉野さんがガラスアーティストになったのは、サラリーマン時代に群馬県でガラス体験をしたことがきっかけ。趣味でガラス教室に通いはじめ、「家があって、隣に工房がある暮らし」に憧れを抱くようになり、仕事を辞めて石川県能登島にある全寮制のガラス工房に修行へ。
そして1年後、川越市がバックアップする「チャレンジショップ」という空き店舗対策の募集に受かり、念願のお店を開くことになります。
チャレンジショップを始めた当初は、工房もなく、4坪ほどの小さな建物で活動していた吉野さん。「この場所で活動を続けていても、ガラスの魅力を人々に届けるのは難しい」と感じていた時、審査員だった松本醤油の社長さんが「自分のところでやればいい」と声をかけてくれたそうです。
恩人との出会いもあり、Blue moonのガラス工房は、醤油蔵と酒蔵に囲まれている特殊な造りになっています。200年近く続く蔵の隣で、ほのかな醤油の香りを感じながら吹きガラス体験......これはBlue moonでしか味わえない経験です。
吉野さんは吹きガラス体験を通して、「コップ一つ作るのに、これだけの過程があるんだ」「こんな仕事もあるんだ」ということを知ってほしいとのこと。
そして、ガラスに息を吹き込み、いつしか"素"の自分になった時、ずっと昔の思い出がふと蘇り、ガラスの向こう側に郷愁を感じることができるそうです。そういった時間を、川越の地へ訪れた人にも感じて帰ってほしいと話してくださいました。
大切な人へ特別なプレゼントを贈りたい、そんな時。一本気で優しい職人さんが集うこの場所で、ガラスの贈り物を作ってみませんか?
※体験の内容は変更になる場合がございます。