和モダンにリノベーションされた店内でいただく親子丼
目抜き通りに出ている看板を目印に、建物正面の壺焼き芋店「COEDO HACHI」の左手にある縁起門から奥へ進むと、「炭火焼き親子丼MARUYA。」があります。
お店の正面にはお庭や盆栽の緑があり、蔵の街に調和した和の雰囲気が漂っています。ここ「蔵の街てらす」は、川越の老舗菓子店「亀屋元町店」の跡地をリノベーションした、歴史の面影を残す複合店舗です。
のれんをくぐると落ち着いた店内に、地元・埼玉の木材を利用したカウンターやテーブルが並んでいます。和のやさしいテイストと木のぬくもりで居心地がよく、昼は親子丼、夜は「炭火と農作 鳥もと」で焼き鳥がいただけます。
焼き鳥店がつくる本気の親子丼
お食事のお品書きはもちろん親子丼。しかも3種類あります。もも肉を使った定番の「名物炭火焼き親子丼」(1,400円)、ちょっとさっぱりいただきたい方に脂控えめのむね肉を使った「炭火焼き親子丼」(1,300円)。もも肉とむね肉、そして焼き鳥店ならではのレバーとハツが入った「特撰鳥もつ入炭火焼き親子丼」(1,600円)と、売り切れ御免の人気の親子丼です。
「焼き鳥店だからこそ、鶏肉と炭火に強みがあります」と店長の薮田さん。「店で使っているのは、肉質がやわらかく脂が乗って味のバランスがいい鳥取の銘柄鶏『大山どり』です。仕込みでは朝一番に炭を起こし、鶏肉の表面を備長炭の火力でパリッと焼き上げ、氷水で冷やし肉に香りを閉じ込めます。焼き鳥は火加減や肉の大きさ、串の指し方で火の通り方が変わってくるので、難しくも面白いです」と話します。
厨房では注文が入ると、親子鍋に出汁を煮立てて肉と玉ねぎを入れ、溶き卵でとじて半熟に。仕上げにご飯の上によそって焼き鳥のタレを回しかけ、中央に卵黄を落として三つ葉を添えて完成です。
まずは「特撰鳥もつ入炭火焼き親子丼」をいただきます。丼の蓋を開けると出汁が香り、ふわふわの卵に包まれた炭焼きの鶏肉とぷりぷりの鳥もつとご対面です。さっぱりとした出汁が染みた肉はやわらかくて炭の風味が口に広がり、鳥もつのレバーは口の中でやさしくほどけていきます。中央の赤々とした卵黄は、埼玉県日高市の「たかはしたまご」を使用したこだわりの卵。お箸でくずすとドロっと黄身が溢れ、ソースのような濃厚さです。卵の旨味をご飯と肉に絡めれば、一層幸福度が高まります。
「名物炭火焼き親子丼」も鶏肉のうまみをしっかり楽しめる一品です。
「テーブルにある焼き鳥のタレで追いダレできますよ」と社長の本橋さんからアドバイスいただき試してみると、香ばしい甘辛のタレで丼が別の味わいに変身。このタレは夜に営業している焼き鳥店でも使用していて、焼き鳥の旨味や風味を染み込ませた秘伝のタレなのだそう。
さらに、卵と鶏肉を引き立てるためのお米も相性バッチリ。「地元のお米屋さんに頼み、出汁や卵を考慮した品種を選んでいます。肉や卵の味が引き立つように、甘みや粘りが強いものではなく、あえてあっさりした味のお米を使っているんですよ」と、緻密に設計された親子丼の工夫を教えてくれました。この完成度、親子丼好きなら一度は食べたい一品です。
川越の新名所として覚えてもらいたい
社長の本橋さん(写真右から2番目)は川越市連雀町で9年間焼き鳥店を営み、2019年に独立しました。独立をきっかけに強まったのが、店を育ててくれた川越への想い。なにかしらの形で川越に貢献したいと考え、特産のさつまいもを扱う新しい事業の店舗を探しているとき、「亀屋元町店」の跡地への話が持ちかけられたそうです。
焼き芋店だけではもったいないほど広い敷地だったこともあり、焼き鳥店も移転する一大プロジェクトに発展。「観光で訪れた人においしいものを提供したい。観光地だからこそ昼も営業して川越を盛り上げたい」と、「炭火焼き親子丼MARUYA。」がオープンしました。壺焼き芋「COEDO HACHI」、「炭火と農作 鳥もと」とともに、「蔵の街てらす」で川越に訪れる人をもてなしています。
「蔵の街てらす」の2階には地元のサッカーチーム「COEDO KAWAGOE F.C」のオフィスが入居しており、お庭では期間限定ショップがオープンしていく予定です。「川越の新名所として皆さんに覚えてもらえると嬉しいですね。川越をみんなで楽しく盛り上げていきたいです」と薮田さんは話します。
川越を訪れた際には、店主の想いが詰まった焼き鳥店のスペシャルな親子丼をぜひお召し上がりください。
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