菓子屋横丁のほど近くに佇むうなぎ屋

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30軒の昔ながらの菓子屋がひしめく観光地「菓子屋横丁」から少し歩いた閑静な場所に「いも膳 うなぎ専門店 うなっ子」はあります。小江戸・川越らしい風情ある佇まいのお店の前には清らかな水が流れるお堀があり、錦鯉が泳ぐ様子が涼しげです。

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7つのテーブル、全32席の和の趣ある店内。観光地の近くでありながら、静かな時間が流れる空間です。「土地柄、観光でいらしたお客さまが多いですね。最近では海外の方もいらっしゃいます」と話すのは従業員の島田さん。

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肉食が禁止だった江戸時代に、川越では天然のうなぎがよく採れたため、たんぱく源として多くの人がうなぎを食べていました。その名残で今もうなぎは川越の名物。

「うなっ子」では、国産のうなぎを活きたまま仕入れ、お店でさばくというこだわりがあります。さばいたばかりのうなぎをかば焼きにするからこそ、身が固くならず、ふんわりとした口当たりになるのだとか。

ふわっと軽いうなぎとホクホクのさつまいもが絶妙

「うなっ子」のメインメニュー「いも重」は、本店「小江戸川越 いも膳」で生まれたオリジナルメニューだそうです。

「本店の『いも膳』は50年近くの歴史を持つさつまいも料理のお店です。そのお店で考案されたのが、さつまいもご飯をせいろで蒸し、その上にかば焼きにしたうなぎをのせた『いも重』です」と島田さん。

重箱にぴたりとはまるせいろをそのまま出される「いも重」は、見た目にもめずらしい一品です。

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注文からほどなくして、「いも重」(2,750円)が登場。つややかなうなぎと、その下にちらりとのぞく、ほっくりと炊かれたさつまいもの様子が食欲をそそります。

取材に訪れた日のうなぎは愛知県産のもの。さつまいもは時間が経っても色が変わらない「紅赤」を使用しています。「紅赤」は甘いいもとして人気を博し、大正時代から昭和にかけて埼玉県内で多く育てられた品種だとか。

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うなぎの身と皮は軽く箸をつけるだけでほぐれるやわらかさ。長年継ぎ足された自家製のタレで味付けされたうなぎは、口に入れた途端にふわっとほどけます。甘くてホクホクとしたさつまいもには甘じょっぱいタレがかかり、ごはんとの相性も抜群です。

ちなみに、お吸い物はうなぎ屋さんでよくある「肝吸い」ではなく、うずらの卵を使用したもの。海外からのお客さまは肝の苦みが苦手な方が多いため、こうした工夫を行っているのだそうです。観光客の多い川越のお店ならではの柔軟な姿勢が垣間見えました。

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うなぎを使ったメニューを提供するために、本店の「いも膳」から独立して作られたという「うなっ子」は、1999年にオープンしました。親しみやすい店名は「いも膳」の社長さんがつけたのだそうです。

国産うなぎを使用しながら、ここまでリーズナブルな価格で提供しているお店は川越でもめずらしいとのこと。川越散策中のランチには、川越の二大名物をおいしくいただける"いも重"を味わってみませんか。

※価格はすべて税込。
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