昭和58年(1983年)オープンの江古田の名店
駅を中心に活気あふれる商店街がいくつも存在する江古田エリア。「Mell」はそんな街中にある洋食店で、美容室の入った建物の2階に位置しています。通りに面した場所に設けられたメニューサンプルが目印です。
縦に長い店内は開放的でいて、どこか懐かしい雰囲気も漂っています。洋食レストランというよりは喫茶店のような趣です。休憩時間なしで営業していることもあって、遅めの昼食を楽しみに一人で訪れる女性や、腹を満たしにやってくる学生の友人同士、コーヒータイムを楽しむ年配のご夫婦など、さまざまな人が来店しています。
「Mell」がオープンしたのは、昭和58年(1983年)のこと。2023年で40周年を迎えます。キッチンで休むことなくフライパンを振り続ける店主の山田幸正さんは、独立して店を構えるまでは日本料理の板前をしていたのだそう。食事を楽しむお客さまの姿を近くに感じながら、身近なメニューを提供したい。そんな想いから「Mell」は誕生しました。
スパゲティだけで約20種類! 豊富なメニューの数々
手書きのメニュー表を見ると、スパゲティだけで20種類におよんでいます。ミートソースやナポリタンなどの王道から、「コンビーフと青菜」、「アサリコーン」などのオリジナルメニューもあり、毎日通いたくなるほどの充実したバリエーションです。
メニュー数もさることながら、ミートソースが720円だったりと、手ごろな価格帯も「Mell」の魅力のひとつです。「学生においしいものを腹いっぱい食べてほしいから、値段は上げたくないんだよね」と山田さん。学生たちのお財布に優しく、ボリュームもたっぷり。「Mell」が長く愛される理由はこんなところにも感じることができます。
数あるスパゲティメニューの中でも、最も人気なのが「コンビーフと青菜」(850円)です。パスタ生地にほうれん草を練り込んだ平打ち麺が用いられ、ニンニクの旨みとバターのコクがきいたクリームソースと絡まることで風味が引き立ちます。
コンビーフのほどよい塩気も相まって、ボリューム満点でありながらぺろりと平らげられるおいしさ。小松菜の食感と苦みも極上のアクセントになっています。
スパゲティ以外の人気メニューをもうひと品。「海の幸のドリア」(900円)です。運ばれてきた瞬間のぐつぐつと焼けた香りが芳ばしく、スプーンで表面をすくってみるとチーズがとろり。
クリーミーなベシャメルソースにはホタテやエビ、イカの旨みが行き渡り、滋味深い味わいです。シャキシャキとした玉ねぎやピーマンの食感もよく、ケチャップライスとの相性も抜群です。
幻のデザート「フルーツパフェ」はタイミング次第!
「Mell」はデザートメニューも豊富ですが、中でも"幻のデザート"といわれているのが「フルーツパフェ」(760円)です。デザートも山田さんが作ってくれるのですが、常に料理の注文が入る忙しい状況の中で、手の込んだフルーツパフェを作ってもらえるチャンスはタイミング次第なのです。
きれいに盛られたフルーツは、その丁寧な切り目に日本料理の板前であったという職人の業を実感します。
パフェメニューを注文するときは事前に「今日はパフェ注文できますか?」と確認してみるのがおすすめです。
学生時代に通っていたという方が十年後、二十年後に遠方から訪れることも多く、「変わっていなくてうれしい」と声をかけられることもしばしば。「青春に浸れる場であり続けるために、これからも頑張らないとね」。山田さんはそう笑顔で語ります。
初めて訪れた人でも、こどものころから慣れ親しんだようなノスタルジックな感覚と味わいを楽しめるのが「Mell」の魅力。江古田を訪れたらぜひ訪れてみてほしい一店です。
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