※取材当時は店名が「アジアンダイニング ヒーラズカフェ」でしたが、現在は変更になっています。
メニューと内装が大幅パワーアップ
バテ気味とか、二日酔いとか、なんだか元気がない日は、心がエスニックを求めてしまう。たとえば王道のインド映画。陽気なインド人俳優が、ただただ陽気に歌って踊っているのを眺めているだけで、心の疲労がふわっと薄まる......ような気がしません?
そして、胃袋にも活力を注入したい折、無性に食べたくなるのがエスニック料理。「アジアンダイニング ヒーラズカフェ」は、以前はインド・ネパール料理の専門店だったが、2019年の暮れにリニューアル。従来のカレーやタンドール料理のほかに、タイ料理やベトナム料理をそろえてパワーアップさせた。店内のモニターにはやっぱり陽気なインド映画が流れており、かと思えば、白い壁と木目テーブルの内装は、女性好みのカフェ風。さらに奥にはゆったり配置されたシート席や、バーさながらの立派なビールサーバーもある。いったいどんな新展開を見せてくれるのだろうか。
料理に国境なし!新登場のタイ料理も抜群だ
「いらっしゃーい。ナマステ」。迎えてくれたのは、ネパール出身で日本に来て10年以上になるマラ・サンブさん。モニターに映る映画俳優顔負けのイケメン店長である。シェフは、同じくネパール出身のマラ・ヴィッシモさん。彼の料理の腕がたいへん優れているため、「タイやベトナムとか、他のアジア料理もおいしいよね、ガパオも日本人に大人気だし。ちょっとつくってみてよ」といった次第で、つくってみたら実際どれもおいしかった。選択肢は多いに越したことは無い。こうして、"アジアンダイニング"としてお店の幅を広げることとなった。
「じゃ、まずはパッタイからいきますか?」。パッタイとは、茹でたライスヌードルを野菜やエビとともに炒めた、いわばタイの焼きそば。米麺のモチモチ食感と味付けの甘酸っぱさが後を引き、日本人の舌にハマる味だ。パッタイは大好きなタイ料理のひとつで、いろいろなタイ料理専門店で食べてきたが、このパッタイはレベルが高い。甘・辛・酸だけじゃない、タイ料理の複雑な味を知り抜いていらっしゃる......と、感嘆せずにはいられない。
生の空心菜やパクチーを、豚肉と和えたタイ風サラダ「ゴイ・ラウ・ムオン」。味はしっかりがっつりスパイシー。それでいて、飾り野菜などの仕事は繊細だ。料理写真がズラリと並ぶメニューには、ベトナム料理の代表格「チキンフォー」(880円)やインドネシアの焼き飯「ナシゴレン」(1,100円)などもあり、全部頼みたくなるから困る。守備範囲の広さ、そしてハズレなしの本格味。「ハートランド」の生ビールや生ハイボールなど充実しているお酒もまた、リピーターを誘う。
王道のカレーセットはやはり格別
グローバルな実力にすっかり魅了されたが、お店のココロ、土台はやっぱりネパール。カレー、ナン、タンドール料理......王道をいただかないことには帰れない。おすすめは「ヒーラズセット」。カレー2種類にナンとライス、タンドール2種類(チキンティッカとシークケバブ)、ドリンクが付くオールスターセットなので、迷ったらこれを選べば間違いない。
カレーは9種類の中から「バターチキン」と「キーマカレー」をチョイス。クリーミーでマイルドな味のバターチキンは、年配からこどもまで万人受けするカレーである。具のチキンはタンドリーチキン(鶏肉をヨーグルトやスパイスで漬け込み、タンドール釜でじっくり焼いたもの)だし、その濃厚なうまみたるや、格別! ふんわりパリッと香ばしいナンがぐんぐん進む。濃い味のシークケバブとライスを一緒にかきこむと、これまた至福。マンゴーラッシーでお口を中和させれば、無限に反復できそう。
アジア料理=好き嫌いが分かれる、というイメージは無きにしもあらず。だが、今回紹介した「ヒーラズカフェ」なら、王道のネパールカレー派、辛党のエスニック通、カフェ好きから親子連れ、酒豪まで満足させてくれる。元気を出したい日は、シチュエーションを問わず活用してもらいたい。
※価格はすべて税込
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