やってきたのは、新宿線久米川駅から徒歩7分、木の温もり溢れる「あいばこ」。
「あいばこ」は「暮らしを楽しむ」をテーマに、人や物や暮らし方に出会う場所として2011年にオープン。日々の暮らしをちょこっと楽しくするための様々なイベントを行っており、地域の方たちを中心にその出会いの輪が広がっているコミュニティスペースです。そんな「あいばこ」で今回編集部が体験したのは、「消しゴムはんこ」作り。講師は、消しゴムスタンプ作家の内藤志保さんです。
■用意するもの
・消しゴム(消しゴムは、はんこ用の「はんけしくん」を使うと彫りやすいそうです)
・トレーシングペーパー
・鉛筆またはシャープペン
・カッター
・インク(紙用または布用)
・ティッシュ
最初は、線の細さや刃の入れ方を学ぶために、スプーンの型で練習。先生曰く、線の細さや色使いで作る人の性格が現れるとのことで、ドキドキしながら体験スタートです!まず彫る前に、消しゴムについている細かい粉を落とすため、インク(水分)で表面を拭き取ります。少し色が残った状態だと、彫ったときに彫り跡が分かりやすくなります。
拭き取ったら、トレーシングペーパーで図案を消しゴムに転写。無駄がないように、消しゴムの端の方から使用します。
図案がしっかりと消しゴムに写ったら、ここでカッターの登場です!まず、はんこになる部分を切り離します。カッターを使用する際のポイントは、手前に刃を引くこと。そして、はんこを押すときに持ち手の方が太くなるよう、斜めに刃を入れます。
柔らかい消しゴムですが、意外と力が必要。カットする部分が長い場合は、カッターを固定して消しゴムを動かすと少ない力で切ることができます。大きくゆっくりと動かすのがポイントです。
柔らかい消しゴムなので、ある程度の切り込みを入れれば手で簡単にちぎれます。
転写した図案より少し外側に刃を入れ、輪郭を彫り、
細かい部分は、刃を刺してくり抜く様に彫ります。
スプーンの形が出来上がったら、周りのいらない部分を取ります。野菜の皮むきをするようなイメージです。刃を入れる時、必ず手前に引くことを忘れずに行えば、上手に力が伝わります。
最後につまようじで「3」の文字を押しつぶしたら完成です!早速インクを付けて試し押し♪
スプーンのすくう部分が若干取れかけていましたが、「失敗はないので大丈夫です!」と先生に励ましてもらい、持ち手の部分を細く修正。最終的に安定したスプーンができました。スプーンの型で練習を終えたら、今度は残暑見舞いはがき用の消しゴムはんこを作ります!
どんな型がいいかな...と、受け取った人の顔を思い浮かべて考えます。夏を彩るひまわりも魅力的でしたが、残暑が吹き飛ぶように「うちわ」のはんこを選びました♪目指すは先生の作る、ふんわりとした可愛らしいうちわです!
早速、スプーンで練習した通りの手順で作っていきます!手先の器用さを考慮して、柄の部分は少し太めにアレンジ。
先生から「消しゴムが無駄にならないように、考えて転写してね!(笑)」とプレッシャーを受けながら、うちわの部品を消しゴムに写します。
「基本はスプーンで学べる」と先生が言っていた通り、スプーンの壁を越えた編集部。うちわは面が広いこともあり、10分ほどで彫り終えました!そしてお待ちかねのスタンプタイムです!数あるインクの中から色を選ぶのが楽しい♪
そして思いついた色を乗せていくと...。
不思議な柄のうちわが完成、色のセンスが問われます(笑)。色の組み合わせでイメージが変わるので、いくつか試し押しをして配色を決定。そして完成したがこちらの3つです!
左右二つは花火、真ん中はスイカのイメージで配色。インクの付け方でグラデーションを入れ、ガタガタの柄に目がいかないように工夫して、黄色と水色のドットで火花と風を表現してみました。美しく整ったうちわは作れませんでしたが、自分らしい等身大の作品が完成!時間を忘れて楽しむことができたので、次は自宅でデザインから作ってみようと思います♪
大人も楽しめる消しゴムはんこの世界。その魅力を内藤先生に伺いました。
「彫ることがとにかく好き」と話す内藤先生、消しゴムはんこを作り始めたのは小学6年生の頃でした。昔から切手やスタンプ、消しゴムなどを集めることが好きで、ある日、いらなくなった消しゴムを何とかできないかと考えていたそうです。そんな時、たまたまテレビでやっていた消しゴムはんこに魅せられて、30年近く彫り続けています。
自分なりの研究を重ね、現在はお子様のお名前スタンプや、お店のロゴや店舗スタンプなどの製作依頼を受けているとのこと。子どもの頃は、まさか消しゴムはんこでお仕事ができると思っていなかったようで、好きなことでお仕事が出来ることに感謝し、楽しみながら活動されています。
図案の構想や、彫る箇所の陰影バランス、配色イメージなど、難しい中にも楽しさがいっぱい。奥の深い消しゴムはんこの世界に、頭も心もワクワクさせていただきました♪
また、刃物を使う作業ばかりではなく、爪楊枝で柄をつけたり、インクを付けてはんこを押したり、小さなお子様でも一緒に楽しめます。内藤先生は定期的にワークショップをおこなっているので、興味のある方は先生のホームページをご覧になってください!
普段はメールや電話、LINEなどで済ましてしまいがちな連絡。オリジナルのはんこを添えたお手紙で、気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか?
※体験の内容は変更になる場合がございます。