お店の顔となるコッペパンは20種類以上!
立川や武蔵境などにも展開しており、創業85年になるクラウンベーカリー。その6店舗目が、2016年にオープンした「緑町のパン屋さん クラウン」だ。
当初は既存店舗に商品や材料を送り出すための工場として計画されていた場所。配送車がこのエリアを頻繁に行き来するため、既存店舗の効率アップを図ることが目的だった。しかし、それだけではもったいない。小さいスペースでも特徴のある商品を売り出せないかとアイデアを絞った結果、選ばれたのがコッペパンだった。
おかずを挟めば食事として、クリームを挟めばおやつとして、1日のうちでもさまざまなシーンで楽しめるコッペパン。系列の他店舗のコッペパンははちみつや生クリームを使い、甘さがあり口どけの良い仕上がりになっているのに対し、この店舗ではどんな具材にも合わせられるように、小麦の味を生かしたシンプルな配合になっている。
ニコニコとした笑顔で、質問に丁寧に答えてくれた伊藤実マネージャー
手づくりの具材が入った「おかずコッペ」が人気
人気ナンバーワンは「おかずコッペ」の「フィッシュフライ(250円)」。2位が「ハムカツ(260円)」、3位に「自家製コロッケ(260円)」が続く。
甘い「おやつコッペ」は、1位に「直炊きあんこ(180円)」、2位が「カスタードクリーム(200円)」。クリームやあんこは自家製だ。直炊きあんこはつぶあんで、3日間かけてぐつぐつ煮込んでいるのだそう。
季節にあわせてフルーツが変わる「フルーツサンド(300円)」も人気だ。たっぷりのホイップクリームに、取材時には夏みかんとパイナップルが挟み込まれていた。昨年秋にはリンゴ、モンブランなどが人気だったそう。
どの商品も、手に持つとずっしりと重みを感じる。そして実際に食べてみると、想像以上に中身が詰まっていることに驚かされた。おかずコッペはもちろん、おやつコッペも、ひとつ食べればすっかりお腹が満たされる。
コッペパン以外の人気商品で群を抜いているのが「とろっとジューシーカレーパン(160円)」。情報誌「リビング多摩」で行われた多摩地区のカレーパンを対象にしたコンテストで、人気投票1位になったこともあるのだそう。もちろん具材のカレーは手づくりで、冷めてもジューシーなのが特徴だ。具体的な食材を伊藤さんに質問してみると、「企業秘密です」とのこと。
安心・安全なパンで、地域の人を支えたい
1日に焼くコッペパンは300~500個ほど。できるだけ焼きたてを提供するために、一度に大量に焼くことはしない。店頭の売れ行きを確認しながら、こまめに焼いている。
選ぶのに迷ってしまうメニュー表。いろんな味を試すために、リピーターになるお客さんも多い。中には、週に2、3回も通う常連さんもいるという。
「一度に多くを買うというよりは、ひとつかふたつ、そのときに食べる分を買って行かれる方が多いです」と伊藤さん。
朝7時のオープン時には、通勤途中のサラリーマンが寄っていく。お店が一番混むのは11時~13時のランチタイム。日中は子連れのお母さんたちが多く、夕方になると、学校帰り、部活帰りの学生たちで賑わう。ちょうどお店の前の通りが高校の通学路になっていることも影響しているのだろう。
オープン当初は市販の具材も使っていたが、現在ではコロッケやハムカツといった具材も店で手づくりしている。
「遠くから車で来るというよりも、地域のお客さまがほとんどなんです。赤ちゃん連れのお母さんも多い。安心して食べてもらえるように、徐々に手づくりに切り替えています」。
伊藤さんはそう話す。住宅街で愛される店を目指し、他店舗よりもさらに、商品の安心・安全に気を配るよう意識をしているのだという。「緑町のパン屋さん クラウン」は、「クラウンベーカリー」としての長く積み重ねてきた伝統を生かしつつ、これからもコッペパンで新しい可能性に挑戦していく。
※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。
※写真、記事内容は取材時(2017年8月2日)のものです。