武蔵野の自然をテーマにした心落ち着く空間

220513-47tera.jpg所沢駅の東口ロータリーを抜けて所沢駅東口入口の交差点を右折。所沢陸橋通りをまっすぐ歩き旧所沢街道に入ると、左手に民家のようなつくりの窓の大きな建物が現れます。

ここ「図書喫茶カンタカ」の所在地は、所沢市北秋津と東村山市秋津町の境界線の近く。お店のマークがトンボなのは、秋津という地名がトンボの古い呼び名に由来しているためです。

220513-45tera.jpgドアを開けると聞こえてくるのは川が流れる音。入り口にはお店オリジナルの栞が置かれており、「本を読んでゆっくりしていってね」と言われているような気分になります。天井には照明で落ち葉のシルエットが映し出されており、店内の棚や床にも木材が多く使われています。

220513-1tera.jpg220513-37tera.jpg「図書喫茶カンタカ」の内装のテーマは「武蔵野の自然」。所沢の雑木林や柳瀬川など、地域の自然がモチーフになっています。
奥に進むと、河原をイメージしたデザインのカウンターがお出迎え。でこぼこした石の質感が特徴的です。

220513-7tera.jpg

壁一面の本棚には数えきれないほどの蔵書がずらり

お店の奥のカフェスペースには有機的な形のテーブルが並んでいます。葉っぱをモチーフにしており、組み合わせるとジグソーパズルのようにつながるのだとか。席同士の間隔はゆったりとしていて、みなさん居心地がよさそうです。

220513-33tera.jpgそして何よりインパクトがあるのが、壁一面の本棚! 背表紙がずらりと並べられた棚だけでなく、本の表紙が見えるように飾られた立体的な本棚もあります。店内ではこれらの本を自由に読むことができます。オーナーの肥沼さんいわく、蔵書数は「何冊あるのかわからない、数えられない」ほどたくさんの数。お店に置いているのは肥沼さんが所蔵しているうちの半分ほどだというから驚きです。

220513-3tera.jpg「この場所はもともと父が所有していた土地でした。私が引き継いだときにどう活用しようかと考えた結果、地域の人がコミュニケーションをとり、くつろげるカフェにしようと決めたんです」とオーナーの肥沼さんは話します。

220513-24tera.jpg220513-64tera.jpg本のジャンルは、専門書やビジネス書から趣味にまつわる本、絵本に至るまでバラエティ豊かなラインナップ。お店のテーマとなっている武蔵野についての本も収められています。肥沼さんがかつて公務員だったこともあり、地域の歴史やまちづくり関連の本が多く、所沢、東村山、小平、清瀬など地域の歴史書がズラリとならんでいました。「専門的で読み応えのある本が多く、読み始めると時間を忘れて読みふける人もいます」と店長の熊谷さん。

220513-63tera.jpgお子さま向けの絵本もたくさん揃っており、親子連れに人気なのだそう。2階にはキッズスペースも用意されています。

読書時間にぴったりのフード&ドリンク

「図書喫茶カンタカ」のフードメニューは、所沢の人気カレー店「negombo33」が監修しています。おすすめは「2種盛りカレー」(¥1,200)。今回はまろやかで旨みのあるバターチキンと、スパイスのコクと香りが楽しめる欧風ビーフカレーをチョイスしました。

220513-53tera.jpg
「誰もが安心して食べられるものを提供するため、レトルトには頼らず手作りにこだわっており、スパイスを計るところから調理が始まります」と店長の熊谷さん。あっさり食べられるのに味がしっかりしていて、あとを引く食感がやみつきになりそう。人参のラペやひよこ豆とクスクスのサラダもカレーによく合います。
※メニュー変更により現在はターメリックライスから雑穀米に変更しています。

220513-61tera.jpgブレンドコーヒーの種類は、深煎りから浅煎りまで4種類。今回は中深煎りの「柳瀬川」(¥550)をオーダーしました。甘い香りと上品なコク、ほどよい苦味がリラックスタイムにぴったりです。

220513-68tera.jpg他にもバインミー(¥650)やオープンサンド(¥650)、手づくりデザート(¥450~)など、軽食やスイーツのメニューも豊富。ショーケースを見ているだけでわくわくします。

店名に込められた、地域と環境に対する思い

「カンタカ」という店名は、ジブリ映画『となりのトトロ』の登場人物・カンタと、『もののけ姫』のアシタカを組み合わせた造語だそう。そこには『となりのトトロ』のモデルにもなった武蔵野の自然に対する思いがありました。「所沢の魂ともいえる雑木林や柳瀬川、茶畑など地域の自然を大切にしていきたい」と、環境問題に取り組んできた肥沼さん。自然との共存を模索する『もののけ姫』のアシタカの姿と自身が重なったといいます。

220513-28tera.jpg店内では親子で参加できる読み聞かせやパンづくり体験、リフレクソロジーなどのイベントが多数開催され、地域のコミュニケーションの場にもなっています。

かけがえのない地域の自然を身近に感じながらくつろげるブックカフェは、地域の一部としてさらに豊かな森へと成長していく予感。「図書喫茶カンタカ」で武蔵野らしさを感じながら、本の森を散策してみませんか。

※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。
※新型コロナウイルス感染防止対策により、営業時間が変更になる場合があります。