気軽に入れる、明るくオープンなカフェ

小手指駅の北口からハナミズキ通りを進み、小手指一丁目の信号を左折。小手指陸橋通りを越えると、えんじ色の屋根の「lit coffee service」が見えてきます。

220614-31tera.jpgコーヒーのいい香りが満ちる店内は、白い壁に緑が映える広々としたワンルーム。カウンターの横には生豆の麻袋が並び、奥には大きな焙煎機が置かれています。

220614-1tera.jpg「お客さまが豆を選びやすいレイアウトにしたかった」と話すのはオーナーの尾宮さん。右手の壁に備え付けられた棚には、お店の主役であるコーヒー豆が並びます。

220614-22tera.jpg30代前半までは地元・所沢で看護師として働いていた尾宮さん。環境を変えてみたいと思い、知人のツテを頼って福岡に移住しました。福岡はカフェ文化が盛んな街。仕事終わりや休みの日にカフェに通うようになり、その魅力に惹かれていったそうです。

220614-73tera.jpg「カフェを通じてお客さま同士のつながりが生まれたり、お店同士がつながったりすることが新鮮で。『こんなふうに素敵な場所を、地元の所沢にもつくりたい』と思い、特に通っていた『くつろぎ珈琲』の店主に相談して、修行をさせてもらいました」と当時のことを振り返ります。

3年間の修行を経て地元に帰ってきた尾宮さんは小手指に理想の物件を見つけ、ついに自らカフェをオープンしました。「小さく手の届く範囲で、最高の一杯を届けたい」という思いから、「lit coffee service」と命名。「little(小さい)」で「lit(最高)」なロースターカフェが誕生しました。

220614-40tera.jpg尾宮さんがめざしたのは、福岡で通っていたカフェのように、地元の方が気軽に入っておいしいコーヒーをサクっと飲めるお店。開放感のあるガラス張りの入口や明るい店内、お客さま同士の顔が見えるように配置されたベンチなど、オープンな作りがこだわりなのだそうです。

「コーヒーは苦くて渋い」、そんな概念を変える一杯

なんと、かつてはコーヒーがあまり好きではなかったという尾宮さん。福岡のカフェで飲んだスペシャルティコーヒーに衝撃を受けたことがきっかけで、コーヒーの魅力にどっぷりハマっていったのだそう。スペシャルティコーヒーとは、風味や生産体制などの項目について一定基準を満たした高品質なコーヒーのこと。「lit coffee service」で提供しているのも、生産者のストーリーが詰まったスペシャルティコーヒーです。

220614-26tera.jpg「コーヒーはワインと同じように、土壌や気候によって味が大きく変わります。そのため農園主は生産方法を工夫しながら、多くの手間をかけて味を追求しているんです。そうしたストーリーがあるのも魅力のひとつですね」と話す尾宮さん。その熱量からもコーヒーへの愛が感じられます。

220614-27tera.jpg「lit coffee service」では浅煎りから中深煎りまでさまざまな焙煎方法の豆を販売していますが、特に強みとしているのは浅煎りのコーヒー。深く焙煎すると苦味が出ますが、浅煎りの場合はよりクリーンな味わいになり、種類ごとの違いがわかりやすいのだそうです。

クセになる! コーヒー豆を選ぶ楽しみ

「lit coffee service」で販売しているのは9種類のコーヒー豆。ドリップコーヒー(500円)は、店内で販売している豆の中から好きな種類を選んで淹れてもらうことができます。まずは棚に並んだコーヒー豆の説明書きを読んだり、香りを嗅いだりしてみましょう。迷ったら尾宮さんに相談してみるのがおすすめ。お客さまの好みを聞いて豆を提案してくれます。

220614-21tera.jpg今回はホットのドリップコーヒー(500円)とチーズケーキ(470円)をオーダーしました。ドリップコーヒーの豆はエチオピア産の浅煎りをチョイス。みかんやマスカットのような風味があり、フローラルな香りがするのだそうです。注文が入ってから豆を測って挽き、ハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れてくれます。

220614-62tera.jpg220614-80tera.jpg出来上がった一杯はフルーティで華やかな風味があり、舌触りもなめらか。雑味のないスッキリとした後味です。
人気のチーズケーキはふわふわでクリーミー。控えめな甘さがコーヒーによく合います。

220614-85tera.jpg暑い季節にぜひ飲みたいアイスコーヒーは、インドネシア産の中深煎りを選びました。ハーブやダークチョコレートのような独特な香りがあり、リピーターも多い人気の豆なのだとか。豆ごとにまったく違う風味が楽しめるので、来るたびに新しいコーヒーの世界が拓けそうです。

220614-47tera.jpg「この店で新しいコーヒーと出会ってもらい、その人の生活の一部になれたら嬉しいです」と話す尾宮さん。飲んだことのないコーヒーに挑戦してみたいときや、コーヒー豆選びに迷ったときは、「lit coffee service」を訪れてみてはいかがでしょうか。

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