雄大な敷地と、公園のシンボルである2機の飛行機

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「航空公園」という駅名が示すように、東口を出て少し歩くと、ほどなくして白地に青のラインが入った大きな飛行機が目に飛び込んできます。公園の入口付近にあるこの機体は、戦後初の国産旅客機である「YS-11型機」という飛行機です。

50ヘクタール(東京ドーム約10個分)もの敷地面積を誇るこの公園には、長い歴史があります。1911年(明治44年)、この地に日本初の飛行場である「所沢飛行場」が開設されました。航空研究、航空機製作、航空教育がこの場所から始まったことが、「日本の航空発祥の地」と呼ばれるゆえんです。終戦後、米軍基地として接収されていた一部が返還され、1978年(昭和53年)3月に所沢航空公園が開設されました。

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今回は所沢航空記念公園管理事務所 管理課の小野湧也さんに、公園内を案内していただきました。

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最初の目的地である「所沢航空発祥記念館」に向かうと、公園のほぼ中心部にあたる場所に「C-46」という航空自衛隊で使用されていた中型輸送機が展示されていました。「YS-11」とならび公園のシンボルと言える銀色とオレンジ色の機体の傍らには、航空発祥を記した石碑も見られました。

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展示館の入館料金は、おとな520円、小・中学生100円。中に入ると、ところ狭しと飛行機やヘリコプターが展示されており、圧巻の迫力です。各種展示物だけではなく、飛行機や空を飛ぶ生き物が登場する作品などを上映する大型映像館もあるため、小さなお子さまでも楽しめそうです。
館内には無料で体験できるワークショップコーナーもあり、実際に紙飛行機をつくり、翼の役割、方向転換、重心など、そもそも飛行機はなぜ飛ぶのか? という仕組みを一から学ぶことができます。

県内有数の桜の名所。園内には日本庭園も備える

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館外に出ると、豊かな自然がそこここに見受けられます。取材にうかがった2月は、ちょうどロウバイが見ごろを迎えており、その数は120本以上を数えます。
3月下旬になると、園内の至るところで桜が咲き、毎年多くの花見客が訪れます。4月中旬~下旬ごろには希少な緑の桜「御衣黄(ぎょいこう)」が花を開かせ、秋にはいちょう並木が見ごろを迎えます。このように、所沢航空記念公園は季節ごとに違った表情を見せてくれます。

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公園中央部に近い「ロウバイ園」を過ぎると、日本庭園が見えてきました。竹林が立ちならぶ緑豊かな散歩道を歩くと、数寄屋造りの茶室「彩翔亭」があります。こちらは事前に申し込めば利用することが可能で、茶会、句会、詩吟、華道など、さまざまな目的で利用されています。また、彩翔亭の立礼(りゅうれい)席では、地元狭山の銘茶をお出しする呈茶サービスも行っています。

さらに、毎月第4土曜日には、専門のインストラクターが季節の花や野鳥を紹介する「いきものガイドウォーク」も開催されており、自然や生き物のことをより深く知れる機会が設けられています。

野外ステージや運動場、ドッグランなど施設も充実

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庭園のすぐ側には、定員2,000人を誇る野外ステージがあります。公園の設立当初からあるこの施設は、春秋シーズンを中心にライブなどのイベントが盛んに行われています。

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奥に進むと、高くそびえる「放送塔」が見えてきます。こちらは、地元の方々が早朝に集まってラジオ体操をする憩いの場となっているのだそう。

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子ども広場では、大型複合遊具、スカイロープなど多彩な遊具がそろい、近くには「むさしの川」が流れています。夏場は井戸の水が流され川遊びができるようになるため、この一帯はこどもたちに大人気のスポットです。

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さらに奥へ歩を進めると、大きな広場があります。3月~12月の間、こちらで月に1回熱気球の搭乗体験会が開催されており、予約がすぐに埋まってしまうほどの人気を博しています。
熱気球係留体験搭乗会のレポートはこちら

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航空公園駅からはほぼ対岸となる東駐車場の付近には、ドッグランがあります。無料で利用できるこの施設は大型・中型犬エリアと小型犬エリアに分かれており、愛犬たちが自由に走り回っています(利用時間7:00~19:00。6~9月は6:00~19:00)。

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他にも12面のテニスコートや、サッカー、フットサル、ラグビーなどに使用できる人工芝の運動場、フットサル場、高校野球の埼玉県予選も行われる野球場などスポーツ施設も充実しており、老若男女の誰もが楽しめる懐の深さ、スケールの大きさを感じました。

「航空公園」という名前は知っていても、具体的にどんな場所なのかまでは知らなかったという方もいるのではないでしょうか。桜のシーズンを迎えるこれからの季節、ぜひお出かけしてみてくださいね。

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