野菜本来のおいしさをじっくり感じよう
三富今昔村のテーマは「五感で学ぶ、サステナブルフィールド」。このフィールドのある里山には1300種にものぼる動植物が生息し、その里山内には、のんびり過ごせるスポット、自社農園で育てた食材を使ったカフェ、こどもが思いっきり遊べるアスレチックなど、さまざまな施設があります。
事業推進部 部長の三木さんは、次のように話します。
「『三富今昔村』が公園と違うのは、豊かな自然の中で"循環する暮らし"を体感していただけるところです。SDGsや生物多様性、日本の四季や地域文化といったキーワードについて、自然の中で遊びながら学べるプログラムもご用意しています。このフィールドがお子さまの成長に繋がれば嬉しいです」
今回はコーポレートコミュニケーション室の小山さん(写真左)、菅野さん(写真右)に敷地内をご案内いただきました。
「三富今昔村」の玄関口となるのが「くぬぎの森交流プラザ」。ここでは、敷地内にある「石坂オーガニックファーム」の野菜などを使ったお食事がいただけます。地域の風土に合わせて根付いてきた「固定種」と呼ばれる野菜を、伝統の落ち葉堆肥農法で農薬・化学肥料を一切使用せずに栽培しているのが特徴なのだそう。
「デミグラオムライス」(1,650円)は、敷地内で育ったニワトリのたまごを使ったオムライスです。野菜の皮やヘタなど、普段は捨ててしまいがちな部分から出汁をとった「ベジブロススープ」は、栄養やうまみがたっぷり詰まっています。
「発酵ビーガンバーニャカウダ パン・スープ付(1,870円)」も、季節の野菜を堪能できる一品。野菜本来の甘みや苦味、食感などを贅沢に感じられるビーガンメニューで、醤油もろみを使ったソースがさらに旨味を引き立てます。
くぬぎの森交流プラザの外にあるのが「ベジタブルスクール」です。ここは採れたての旬の野菜を、極力手を加えずそのままグリルして味わえる場所。収穫した野菜をグリルすることができたり、専門ガイドから野菜について学べたりするプログラムもあります。
※事前予約制
この場所では4月~11月の間、「SATOYAMA TAKIBI NIGHT」と称して、焚き火と生演奏が楽しめるイベントを土曜日の夜限定で実施。自然にあるものを使った「火起こし体験」や、焚き火を使った料理体験にもチャレンジできます。
自然の中で、生きものとのつながりを体感
食事を楽しんだあとは、現在約1300種の動植物が生息しているという里山をさっそく回っていきます!
小山さんの案内でまず足を踏み入れたのは「風のヤマ」。樹齢40~50年の高木が立ち並ぶエリアです。
「このあたりの木はほとんどが広葉樹なので、秋冬になって葉が落ちると、その落ち葉を集めて発酵させ、堆肥にします。葉がなくなると鳥が見やすくなるので、バードウォッチングに来られる方もいます」とのこと。
続いて「育(はぐくみ)のヤマ」に入っていくと、先ほどとは打って変わって低木が立ち並んでいます。
「先ほどの高木エリアは影ができやすく、日陰を好む植物や生きものが集まっています。逆にこのあたりは、木が低いぶん日なたの面積が多くなるので、日当たりを好む植物が生えてきます。それを好む虫がやってきて、さらにその虫を好む鳥がやってきて・・・・・・と、木の植生に合わせて生態系が変わっていくんですよ」と小山さんは話します。
道路を挟んで東側にある「光のヤマ」には「SANTOMEポートリーガーデン」があり、ひよこやニワトリがのびのびと育っています。ここでは「アニマルウェルフェア」と呼ばれる、ストレスのない環境で動物の尊厳を守る取り組みを実践し、平飼いでニワトリを飼育しています。
「有機の野草や野菜をニワトリに食べてもらい、鶏糞はオーガニック農業で使われれます。ニワトリたちが産む卵は『くぬぎの森交流プラザ』で販売・調理しているので、自分たちの命に繋がっていくのだということを体感していただければと思っています」と三木さん。
ヤギ小屋では、シバヤギという日本在来種の小型のヤギを飼育しています。おやつをあげて触れ合うこともできますよ。
ミニSL&アスレチックはお子さまに大人気!
「集(つどい)のヤマ」はすっきりと開けたスペース。有機小麦を使った薪窯焼きピザがいただける「薪焼き Organic Pizza」、軽食やスイーツで一息つける「くぬぎの森カフェ」などがあります。
太陽光で走る「やまゆり鉄道くぬぎ号(ミニSL)」は、お子さまに大人気! 今回は編集部も乗車させていただきました。運転士さんの「出発進行!」の掛け声でスタートです。
※乗車には整理券が必要です。
車両に乗って「集のヤマ」「結のヤマ」を一周しながら、運転士さんが見どころを案内してくれます。橋を渡ったり緑のトンネルをくぐったりしながら、1周約6分間の電車旅を満喫しました。
「集のヤマ」の奥には、「結(むすび)のヤマ」というエリアが広がっています。4つの神様をまつる「しあわせ神社」があるほか、自然に囲まれて元気に体を動かせるアスレチックやツリーハウスもあります。
夏季限定の「こどもの水辺」周辺では、水中観察プログラムを開催しています。「生きもの探しなどの体験を通じて、生物多様性を肌で感じてもらいたいです」と小山さん。
最奥にある「陽(あかり)のヤマ」は、柔らかな木漏れ日が差し込むエリア。「木もれ日ベンチ」や「わなげ」、冬季限定の「落ち葉プール」など、親子で楽しめるスポットが点在しています。
ご家族やご友人と里山を満喫したい方には「DAYキャンプテント」がおすすめ。日中のみ滞在できる冷暖房完備のテントで、緑に囲まれながらゆったりと過ごせます。サンドイッチやオムライスなどのお食事付きのプランが用意されています。
※要予約
最後に訪れたのは「10000の丘」。ここは「三富今昔村」の中でも象徴的なスポットです。
「このあたりは昔、10,000トンのゴミが不法投棄された雑木林でしたが、地域の方々の協力を得ながらきれいに整備し、人々が集まる里山へと復活させることができました。そうした背景をこれからも忘れないように、ということで名付けられたのが『10000の丘』です。ここでは和洋のハーブを栽培しており、ハーブを使ったワークショップも行っています」と小山さんは話します。
自然の中で遊びながら、生物について学び、循環を体感できる「三富今昔村」。おとなもこどもも楽しめる、さまざまな気づきにあふれた場所でした。
※価格はすべて税込
※営業時間、価格などが変更になる場合がございます。