人気の秘密は"削り"にあり

IMG_008.JPG

野方駅北口を出て、飲食店や個人商店が並ぶ野方北原通りを歩くこと約2分。通り沿いの左手に現れるのが「porte ひなさく堂」です。カエルのロゴが入ったエントランスマットが目印です。

IMG_023 (1).JPG

店内はカウンター席を中心としたコンパクトな空間。カウンター席はキッチンとの距離が近く、氷を削る様子を眺めながら過ごせます。

IMG_026.JPG

壁には、かき氷のおいしい食べ方を紹介するイラストも掲示されています。目を引くのは「撮影は10秒以内」という文字。

「かき氷はできた瞬間が一番おいしいんです」と話すのは店主の石井裕さん。時間が経つと食感が変化するため、かき氷が席に届いたらすばやく写真を撮り、すぐに味わうのがおすすめなのだそうです。

IMG_048.JPG

「ひなさく堂」の始まりは2004年。野方で大判焼きのお店としてスタートしました。その後、一度野方を離れて練馬区へ移転。商店街の方からの声かけで、2016年に再び野方へ戻ってきました。その頃から本格的なかき氷や甘味の提供をスタートし、数年後に現在の「porte ひなさく堂」へとリニューアル。2025年末には長年続けてきた大判焼きの販売を終了し、現在はかき氷一本で勝負しています。

IMG_220.JPG

かき氷には夏のイメージがありますが、「ひなさく堂」の繁忙期は意外にも冬なのだとか。その理由のひとつは、季節を問わず訪れる熱心なファンの存在。毎月変わるメニューを楽しみに、遠方から足を運ぶ常連客も少なくありません。

使用するのは長野県飯田市から取り寄せる純氷。地下水を時間をかけて凍らせた透明度の高い氷で、雑味が少なくすっきりとした口どけが特徴です。さらに、通常は5001000杯ほど削ってから交換することもあるかき氷機の刃を、約150杯ごとに交換。刃の研ぎ方にも気を配り、氷をより薄く、なめらかに削れる状態を保っています。

こうしてふんわりと軽やかな口どけが生まれ、冬でも食べたくなるかき氷に仕上がるのだそうです。

IMG_104.JPG

その繊細な削りを担っているのがスタッフの浅津朱美さん。「7割くらいのお客さまは彼女の削りを楽しみに来ていると思います」と石井さんが話すように、その削り方は氷業界の関係者が研究に訪れるほど。成形をせずに削ったまま重ねることで、口に入れた瞬間にすっと溶ける食感を生み出しています。

毎月変わる個性豊かな12種類以上のメニュー

メニューは約1カ月ごとに入れ替わり、常時12種類以上を用意。
定番のいちごやメロンはもちろん、季節のフレーバーや個性的なメニューまで幅広くそろいます。

IMG_119.JPG

まずは定番メニューの「生いちご」をいただきます。氷を削りながら自家製いちごソースとオリジナルのミルクを何層にも重ねた一品。ひと口ごとに氷とソースが自然に混ざり合い、最後までバランスよく味わえます。

ソースにはいちごの果実をふんだんに使用。果肉感を残した仕上がりで、いちごそのものを味わっているような満足感があります。
かき氷に使うソースやシロップは、ほぼすべて店内で手作り。旬の果物を取り入れながら、素材の風味と氷との相性を考えて仕上げています。

IMG_164.JPG

「生メロン」のソースには、産地まで足を運んで仕入れたメロンを追熟させて使用。果実本来の甘みとみずみずしさを生かした味わいが魅力です。ミルクにはマスカルポーネチーズを使い、やさしいコクを加えています。

IMG_251.JPG

特製のチョコレートソースとミルク、いちごソースを合わせた「ショコラナッツ」もおすすめです。「氷にかけてもおいしいチョコレートソースに仕上げています」と石井さんが話すように、チョコレートの風味といちごの酸味、ミルクのコクが重なり合い、スイーツのような味わい。ナッツの食感が心地よいアクセントになっています。

地域に根差し、全国から人が集う店

お客さまの多くはこだわりの一杯を求めて遠方から訪れるかき氷ファン。「一人で2〜3杯食べて帰る方もめずらしくありません」とのこと。

IMG_015.JPG

現在は予約を中心とした営業スタイルで、行列を作らないよう工夫しながら営業しています。
「『地元に有名なかき氷屋さんがあるんだ』と、自慢したくなるようなお店になれたらうれしいですね」と石井さん。
地域に根差した店でありながら、全国からファンが訪れる「porte ひなさく堂」。野方を訪れた際は、ここでしか味わえない一杯を楽しんでみてはいかがでしょうか。

※営業時間、販売商品などが変更になる場合がございます。