武蔵野の自然に囲まれた市民のつながりの場

清瀬市は都心から少し離れた農村として発展した街。清瀬で営まれてきた暮らしは、アニメなどで描かれる古き日本の原風景にも重なります。
今回訪れた「清瀬市郷土博物館」は、新しい清瀬の文化を創造し、あわせて郷土への愛着や地域住民の相互連帯感を高めるための拠点として1985年に開館しました。

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今回施設を案内してくれたのは、主任学芸員の中野光将さん。
「当館の目的は、地域の歴史と文化を発信し、多くの方に清瀬の魅力を知ってもらうことにあります。展示を見たり実際に体験したりして伝統文化に親しむことで、先人の足跡と知恵に触れる博物館です」

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博物館は武蔵野の雑木林を再現した木々や緑に囲まれており、建物を取り囲む小路は自由に散策が可能。散歩に訪れたり生き物を観察したりする方も多いそうです。

清瀬の発展の記録や先人の暮らしが紹介される常設展示

「清瀬市郷土博物館」の入館料は無料で、市内の方・市外の方にかかわらず、どなたでも利用することができます。
1階には常設展示やテーマ展示フロア、ミュージアムカフェ、オリジナルグッズコーナーがあり、2階は貸出も行うギャラリーや講話室があります。また、別棟には古民家を再現した「伝承スタジオ」もあります。
※特別展など場合により有料となる場合もあり

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館内は明るく、1階の展示スペースの前は吹き抜けで広々とした雰囲気です。

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展示ホールでは、年4回のテーマ展示のほか、縄文時代の出土品が常設展示で紹介されています。なかでも注目は指定文化財の「有孔鍔付土器」(写真中央)。
「上部に小さな穴が空いており、現在の刀の鍔(つば)のような形をしている非常に珍しい縄文土器です。動物が描かれることが多い中、この土器には人間のモチーフが描かれている点も珍しいです」と中野さん。

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歴史展示室では、医療の街として発展してきた清瀬の歴史が紹介されています。
「清瀬駅の南側は『結核』の治療拠点として多くの療養施設や病院が建てられ、治療の中心地となっていました。治療薬が普及したあとは、高度医療機関や研究機関へと発展してきた歴史があります」と中野さん。

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先人の暮らしを伝える民俗展示室では、かつて農村であった清瀬市の生活や文化が四季を通して紹介されています。幕末には村役人をつとめた旧家「森田家」の品々をはじめとした貴重な文化財が並びます。

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当時、清瀬では養蚕が行われており、循環型社会が実践されていました。農閑期には、出荷できないくず繭を使って家族のために生活着を織ったのだそう。そうした生活着は「清瀬のうちおり」として国指定重要有形民俗文化財に指定されています。「清瀬のうちおり」の展示は2カ月ごとに展示が入れ替わり、収蔵する約460点ものコレクションをさまざまなテーマで観覧することができます。

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展示ホールには、子どもたちに人気の"触れる"展示スペースも。電気のない時代から高度経済成長期、そして現在に近い時代へと、時代の移り変わりがわかる道具が展示されています。

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「ガラス越しに見るだけでなく、実際に触って動かして、当時の生活を想像してもらうことをコンセプトしています。子どもたちには黒電話やタイプラターが人気ですね」と中野さん。

伝統文化の体験ができる「伝承スタジオ」

別棟の「伝承スタジオ」は、昭和3040年台頃の清瀬の古民家をモチーフに作られた空間。歴史と文化を学ぶための重要な交流拠点で、市民への貸出も行っています。

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水田が少なく小麦の栽培が盛んだった清瀬では、普段の日常だけでなくハレの日にもうどんを食べる文化があり、この伝承スタジオでも年3回ほど「うどん作り体験」を行っています。太い麺を肉汁で食べる武蔵野うどんとは異なり、清瀬のうどんは、細い麺を糧(かて)と呼ばれる茹で地場野菜とともに食べるのが特徴。今も現役のかまどでは、一度に20人前のうどんを茹でることができます。

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他にも節分や、お正月の繭玉づくり、染め物教室などの季節行事が体験できるイベントが多数開催されており、清瀬の人々が現在まで受け継いできた先人の知恵やくらしを体験できます。

個性的なオリジナルグッズをお土産に

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1階の展示ホールの反対側には「ミュージアムカフェ きよせ」があり、地元の方やお散歩途中の家族連れなど、地域の方々の憩いの場としても活用されています。

 

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オリジナルグッズコーナーには、有孔鍔付土器や「清瀬のうちおり」のてぬぐい、缶バッチなど、展示内容を活かしたユニークな品々が並びます。

「清瀬は自然が豊かで、昔懐かしい風景も残っています。『清瀬市郷土博物館』を訪れてから街に繰り出してみると、清瀬の魅力がより深く感じられると思います」と中野さんは話します。

清瀬の文化と歴史が詰まった「清瀬市郷土博物館」。清瀬の歴史を学ぶことで、「清瀬らしさ」を発見できる場となっています。ぜひ受け継がれる文化を体験しにきてください。

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