石臼挽きした粉を使った風味豊かな手打ち蕎麦

所沢駅西口を出て約5分、所沢プロぺ商店街の路地へ入った場所に「手打ち蕎麦 YAHEI」はあります。2016年のオープン以来、落ち着いた雰囲気の中でゆったりと蕎麦を味わえると評判です。

店主の高須公久さんは、26歳で蕎麦店に入り、修業を始めました。11年目を機に独立し、「手打ち蕎麦 YAHEI」をオープン。年代問わず、気取らずに入れるお店を目指しているそうです。

こちらでは店名の通り、店主が毎朝手打ちした蕎麦を提供しています。「おいしい蕎麦を作るには、まずは素材選びから」と語る高須さん。厳選した国産玄蕎麦を石臼挽きすることで、蕎麦の香りを引き出します。蕎麦粉を混ぜる際に使う水と出汁作りには、東村山市にある豊島屋酒造の仕込み水を使うというこだわりも。酒造りのための軟水が蕎麦本来の甘味となめらかな食感を引き立てます。

高須さんの蕎麦作りにおいて欠かせない道具のひとつが、栃の木の大木を職人が手彫りした木鉢です。
「幹をくり貫いた部分に溝があることで、粉と水が混ざりやすくなっています。この木鉢を使うと、蕎麦のつながりが良く、ボソボソとした食感になりやすい十割蕎麦もなめらかな食感に仕上がります」と、高須さん。
この木鉢は、新潟の工房に頼んで制作した貴重なもの。高価なこともあり、最近では手彫りの木鉢を使っているお店は少ないそうです。素材だけでなく道具にもこだわりぬいて作られる蕎麦を、さっそくいただきます。
選び抜いた素材と熟練の技術が生みだす至高の味わい

蕎麦は十割蕎麦と二八蕎麦が選べます。香りや味を求める方には十割蕎麦、コシが強い蕎麦が好きな方には二八蕎麦がおすすめとのこと。
写真は「季節の野菜の天ざるそば(十割蕎麦)」。揚げたてサクサクの天ぷらは、旬の野菜が3種類と、海老が一尾です。鮮度管理を徹底したニューカレドニア産の高級エビ「天使の海老」を使用しており、甘みがあって殻が柔らかく、頭からしっぽまでバリバリと食べられます。
十割蕎麦の色が黒っぽいのは、蕎麦の実の黒い殻ごと混ぜているため。噛むほどに蕎麦の香ばしい香りが広がります。ほんのりとした甘みがあり、ツルッとしたのど越しと歯切れが良いのが特徴です。
つゆは、北海道産の高品質な利尻昆布と上品な香りの鹿児島県産本枯節をメインに、三種類の節を混ぜて出汁をとっています。そんなまろやかで甘味があるつゆが、蕎麦の味わいを一層引き出してくれます。

蕎麦を食べた後にいただく蕎麦湯にもこだわりがあります。「おいしい蕎麦湯を飲んでいただきたい」という思いから、蕎麦粉をお湯で溶いて、一から作った蕎麦湯を提供。濃厚でとろみがあり、甘味がふわっと口に広がる格別な味わいです。
蕎麦とともに味わいたいお酒やおつまみも充実

唎酒師の資格を持つ高須さんは、おすすめの日本酒を常に9種類ほど揃えています。キレが良くスッキリとしたものや華やかで繊細なものなど、お蕎麦と一緒にお好みで楽しめます。

日本酒のほか、東村山市の醸造所「ディスタントショアーズブルーイング」のクラフトビールも1種類置いています。店内にタップがあり、クラフトビールの樽生をいただけるのが珍しいと評判。日本料理に合うように作られているのが特徴で、フルーティーで香り高い味わいです。

お酒と共にいただきたい一品料理も充実しています。いろいろな種類の品をつまめることで人気なのが、「蕎麦前6種盛り」。カリッとした食感の蕎麦の実が入ったポテトサラダや、しっかりと味が染みたにしんの山椒煮などが入っています。

自家製の「味噌漬け盛り合わせ」は濃厚なうま味を味わえます。木綿豆腐、カマンベールチーズのほかに、所沢市のうずら屋さんから買い付けている半熟のうずらの卵も盛られています。黄身のねっとりと濃厚なうま味は、一度食べるとクセになりそうです。

2026年6月からは、オーダーを受けてから炊き上げる「お出汁で炊いた土鍋ご飯」もメニューに登場します。しらすと山椒、桜海老などの4種類がラインナップ。昆布とカツオからとったお出汁でふっくらと炊いたご飯は滋味深い味わいです。
なんとこちらの土鍋は、店主の手作り! ご近所の作家さんから陶芸を教えてもらい完成したそうです。
店主がめざしているのはオープン当初から変わらず、「普段着で通える一番のお店」だそう。
所沢に訪れたら、お客さまを大切に思い、蕎麦作りに真摯に向き合う「手打ち蕎麦 YAHEI」へ立ち寄ってみてはいかがでしょう。
※営業時間、販売商品などが変更になる場合がございます。